所用で奈良に行き、折角だからと西ノ京に足を延ばしました。
もう大昔と言っていいほど前に来たことのある懐かしい場所です。
当時拝観した薬師寺東塔は平成21年より解体修理中、平成31年の春に修理が完了するまで、
その姿を見ることが出来ないとのことで、今回は萩の花が揺れる唐招提寺の拝観でした。
唐の高僧であった鑑真については、井上靖の『天平の甍』に描かれているところで、
唐からの来日には苦難がともない失明。753年、6回目の渡航でようやく実現されたことなど、
よく知られています。鑑真は当時既に66歳、763年に波乱の76才の生涯を閉じられたそうです。
異郷にあって、自らの志のために最後まで注いだ鑑真和上の情熱が、
今も私達に多くのことを語りかけているような秋の風を感じていました。