「昭和とは どんな眺めぞ 花へんろ」この句が3巻構成の
「花へんろ」第一巻「夢の巻」の見開きに大きな字で表示され
全編を通して読者に問いかけています。
1985年(昭和60年)から1988年(昭和63年)にNHKのTVドラマ
でも放映されたそうです。残念ですが私はそのTVドラマを見て
いませんし、物語に同郷の大勢の先輩方が登場することも
原作者の早坂暁さんが旧制松山中学の卒業生であることも
知りませんでした。私は何をしていたのでしょうか?・・
「花へんろ」は大正から昭和中期の終戦まで、四国の風早町
(現在の松山市)を舞台とした、作者の自伝的要素を含む作品です。
激動の時代に翻弄される庶民の生活がドキュメンタリー風に
描かれています。
自衛と言いながら石油・鉄・など資源を求めて北へ南へと危険な
拡大を続け、戦争へと突き進んでいった昭和初期の状況は、
読み進めるうちに、集団的自衛と言い憲法解釈を変更し派兵を
可能にし、「秘密保護法」を作り、治安維持法に類似の
「テロ等準備罪法案」を通そうとしている、現在の日本の危険な
状況と重なってきてなりませんでした。
300万という同胞を戦火に失った過ちを、繰り返しては
ならないと思います。
「平成とは どんな眺めぞ 花へんろ」ぜひ「花へんろ」を
1度読んでみてください。